シンクタンク(調査・提言)

政治的・経済的安定性が評価された永世中立国スイスには、さまざまな国連・国際機関、非政府組織が拠点を置き、大学・教育機関との産学官連携も盛んに行われています。さらに世界の金融センター、ヨーロッパのビジネスハブとして多くの国際企業が活動をしています。SEYMOUR INSTITUTEのスイスを拠点にした研究員による情報収集・調査活動です。

スイスの連邦工科大学を含む複数の研究グループ、シンクタンク機関、データホスティング・サイバーセキュリティ企業、ノン-バンカブル資産のビジネスモデルを提供するフィンテック企業との連携は、イノベーション立国スイスでのテクノロジー領域における現地での情報収集・調査により、グローバル市場、各業界および社会に与える影響の程度を評価し、信頼性と精度の高い提言を提供できると考えています。


マーケット・インテリジェンス


マーケット・インテリジェンス(市場戦略情報)とは、収集した情報の照合、分析、評価、釈義から創造する情報の成果物です。営利活動を促進するために必要な情報を提供する戦略的な情報商品であり、目的のひとつは、外的環境・市場の観察に内在する不確実性を軽減させることです。求められる情報は、時には競合に優位性をもたらし、競合が目標を達成するために十分に検討された戦略を実行することを可能にさせます。 情報商品の作業過程には、多くの異なる情報源からの情報収集が含まれます。戦略上の必要性と潜在的な影響に基づいて、情報が収集された時点で直ちに共有されることもあります。しかし、このような未処理のデータは連続して発生する出来事に関する断片的な情報に基づいており、不正確さや不確実性を含んでいる可能性があり、その後の分析や収集情報によって解決する必要があります。完成した情報商品には、策政を導き出すために比較、分析、重み付けされた情報が含まれます。

情報収集・情報分析

研究員(嘱託研究員)

スイスを拠点にする、博士、統計学を終了またはデータ分析、ビジネス分析の研究者として経験のある優秀でユーモアのあるひとたちです。

研究補助員

スイス/日本の大学(学士、修士、博士過程)の学生、主に工学、コンピュータサイエンスを学び、実装可能なテクノロジーを検証、研究員を補佐します。

スイスの独立系シンクタンク・調査機関との協力

独立系シンクタンクである協力調査機関は、科学、技術、ビジネス、社会を横断して活動しています。2007年以来、シンクタンクとして欧州の主要な組織や商業団体、公的機関、民間企業に重要な情報を提供してきました。中長期的な課題に対する戦略的な分析は、コンサルティング業務の中核を成します。

課題解決

企業や公的機関は、リソースが日々の責任に追われているため、中長期的な課題を把握することが難しいことがよくあります。組織内の視点では、全体的な概念的なアプローチを必要とし、個々の部門の範囲を超えたソリューションを構築することが困難な場合があります。

12以上のセクターを対象とした体系的な360度分析に基づき、重要な新技術、イノベーション、ビジネスモデルを国際的な視点から最新かつ包括的に概観します。このプロセスは、中長期的なトレンドを特定し、将来を体系的に検討することを可能にします。

企業組織や意思決定者は、自社の活動分野内外の関連する動向を早期に特定・構造化し、それに基づいて独立した長期的な視点と戦略を策定することができます。このように、企業がこれらのプロセスをアウトソーシングし、コスト面でのメリット、ベストプラクティス、中立的な外部の視点から利益を得る機会を提供します。

包括的な戦略コンサルティングとカスタマイズ・シンクタンク

長期戦略の策定は、組織の将来を形作る可能性のある動向やトレンドを体系的に早期に認識し、具体的な推奨事項を策定することから始まります。その後、組織のプロセスや製品の開発に変更を加えます。一時的なプロジェクトから長期的にカスタマイズされたシンクタンク構造の構築まで、個別または組み合わせた利用可能な多くのプロジェクトモデルを用いて活動します。

デジタル通貨に関する独自の調査


SEYMOUR INSTITUTE(シーモア インスティテュート)は、シンクタンク事業のひとつとして、スイスを拠点とする研究員・情報収集によるデジタル通貨に関する研究を行い、調査レポート(簡易版)を公開してきました。

デジタル通貨と電子マネーの違い

電子マネーの法的定義ではUEの場合、資金の受領時に発行される残高が、発行者に対する債権であることが要件とされています。電子マネーの残高は、中央銀行や商業銀行の貨幣と同じ通貨建てです。 一般的には金融機関や決済をする他の機関がその役割を担っています。取引記録や残高は、金融機関などの信頼できる機関に集中的に保管されています。

デジタル通貨は個人や機関の負債ではなく、本質的な価値がゼロであり、後になって商品やサービス、あるいは貨幣と交換される可能性があると考えられる場合にのみ価値が生じます。そのため、デジタル通貨は、ほとんどの法域では、電子マネーの法的定義を満たしていません。 デジタル通貨の新しい単位の設定や作成(総供給の管理)は、通常、コンピュータ・プロトコルによって決定されます。

例えば、ビットコインとは、価値を移転する単位のことです。価値の移転とは、取引の記録方法と価値の保存方法です。分散型ネットワークに分散している台帳が更新されることで移転が完了する。取引記録や残高の正確なコピーが世界中の複数のコンピュータに保存されるように設計されています。


電子マネーでは、現金と引き換えに発行体からデータ(債権)を受け取り、そのデータを受取人に送信します。受取人は発光体にデータ(債権)と引き換えに現金を受け取ります。データと価値は個別に移動しています。 デジタル通貨は、データと貨幣価値がトークン化され切り離せない状態(トークン+貨幣)になります。分散型ネットワーク固有の機能であるピアツーピアが理論上実行できます。

ビジネスモデル

インフラは中央集権型または分散型としても完全な中央銀行の管理下(デジタル・ユーロとそのに関連する仲介事業体)に置くとこを前提にしています。中央銀行はあくまでもバックエンドのインフラを提供して、仲介事業体がエンドユーザーとの間で、ビジネスモデルを構築する構想です。 中央銀行のCBDC戦略は、今までのホールセールからリテールになると推測されます。CBDCが商業銀行などによっては配布されることになれば、KYCやエンドユーザー へのサービス、補完的なサービス(カードや投資商品など)、それにともなう技術的な構築や運営は、新たなビジネスモデルになります。


中央銀行は、第1層のベースとなる、中央集権型または分散型の参加許可制のネットワークインフラを担い、商業銀行 / フィンテックは第2層で、エンドユーザー(消費者・小売店・一般企業) がデジタル通貨にアクセスするハードウェアまたはソフトウェアのサービスを提供します。ピアツーピアもこの第2層で提供されます。 中央銀行のCBDC戦略は、今までのホールセールからリテールになると推測されます。CBDCが商業銀行などによっては配布されることになれば、KYCやエンドユーザー へのサービス、補完的なサービス(カードや投資商品など)、それにともなう技術的な構築や運営は、新たなビジネスモデルになります。

デジタル通貨の検討・発行に関する状況

デジタル通貨は、短中期的には他の電子決済通貨と競合となり、デジタル通貨が価値を蓄積したとしても、現金通貨と共存していくと考えられます。例えば、ユーロ紙幣において自国の通貨や銀行システムを信頼しない、現金通貨を蓄えるひとたちは、ユーロ紙幣を保有していことが多く、 このようなひとたちが最後の手段としてデジタル通貨をもつ可能性は低いと推測されます。ユーロ紙幣合計の約30%の需要がユーロ圏外からのものと推定されています。

各国の中央銀行がデジタル通貨(CBDC)について公の場での発言を強めるのは、デジタルインフラを持つ民間企業などが発行を進めるデジタル通貨によって、中央銀行の権力と金融政策に対する信用を弱体化させる可能性があると懸念されているからです。 デジタル通貨の決済インフラを民間に完全に任せることは、特定グループが排除されてしまう可能性、民間商業銀行の口座にある資産が、政府によって裏付けた「現金」に変換する能力を失った場合、貨幣システムへの信頼が損なわれる可能性があります。

そのため、各国では、現在の現金と同じような役割を果たす、政府が保証するデジタル通貨の可能性を調査し始めています。民間企業が利益主導であるのに対して、中央銀行は、公共財としてのデジタル通貨を提供することを検討しています。 公共財としてのデジタル通貨は、利用者(消費者)数による費用が発生しない非競合性と、特定の利用者(消費者)を排除できないという非排除性があります。 また、公共財としてのデジタル通貨は、小売店などの決済手数料を限りなくなくすことが期待されますが、民間企業が提供するデジタル決済の競争を無力化して、新しいサービスを生む機会をなくすことによる、社会的、経済的損失がでる恐れがあります。

スエーデン政府、中国政府が進めるデジタル通貨の実証実験や導入は、短中期的戦略が目的であり、既存の決済手段との競合が予測されます。デジタル通貨は長期的には既存の貨幣と共存していくと考えられます。

*2020年10月更新

作成例)無償公開調査レポート(簡易版 2020年7月)について

研究員:

東京大学(BA)、スイス・ザンクトガレン大学(MBA)。スイスを拠点に、グローバル企業のビジネスデータ分析、顧客・市場戦略調査を行う。テクノロジー、Eコマース、ヘルスケア領域の知見を持つ。

調査言語:

フランス語、ドイツ語、英語、日本語

産学官有識者の見解:

スイスの金融機関関係者

「デジタル通貨とスイスおよび国際比較から見る動向」

調査レポート(簡易版)「デジタル通貨とスイスおよび国際比較から見る動向」を無償公開中です。

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